記者コラム「清流」 運転の基本、再確認

 ふじあざみラインを走る時は晴れやかな気持ちだった。目的地の富士山須走口5合目は標高2000メートル。景観や音、気象などが麓と異なる雲上の別世界。非日常を味わう喜びを感じハンドルを握っていた。
 その道路で先月、5合目から下っていた観光バスが横転して1人が死亡、27人が重軽傷を負う痛ましい事故が起きてしまった。県警は事故原因について、フットブレーキの多用でブレーキが過熱し利きが悪くなる「フェード現象」が考えられると説明した。専門家は急勾配でカーブが続く道路の特異性を指摘する。
 フェード現象は大型車両に限らず普通車でも起きるとされ、防ぐにはエンジンブレーキを適切に使い速度を上げずに走行することが大切だという。聞けば当たり前だが、実行していたか。自問した。

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