岩手の元副校長「釜石の奇跡」語る 菊川西中で防災教育講演会
菊川市の菊川西中で18日、岩手県の釜石東中の元副校長村上洋子さん(65)による防災教育講演会が行われた。東日本大震災時に学校にいた児童生徒が津波の被害を免れた「釜石の奇跡」が起きた背景にある、防災教育の積み重ねを語った。全校生徒565人が聴講した。
村上さんは小中学校合同避難訓練や、避難したことを周囲に知らせる「安否札」の配布など当時の取り組みを説明。生徒が地域と積極的に関わるよう学校独自の認定制度を設けたことも紹介した。人は集団でいると危険でも大丈夫だと思い、誰かが逃げれば一斉に逃げるとし「将来子どもや孫を連れて率先して避難する大人になってほしい」と防災教育を始めた思いを語った。
津波の映像を流したあとは「映像を見ると胸がどきどきする。3月が近づくといろいろなことを思い出す」と声を詰まらせ、「亡くなった一人一人に家族がいて夢があった」と命の尊さを訴えた。
同講演会は17日、堀之内小でも行われた。