J2昇格も夢の途中 藤枝MYFC・杉田 団結させた主将の“背中”

 遠回りのサッカー人生はまだ夢の途中-。サッカーJリーグ3部(J3)で来季昇格を決めた藤枝MYFCのMF杉田真彦主将(27)=静岡市駿河区出身=。クラブが静岡県リーグから一歩ずつ階段を上ったように、杉田も日本フットボールリーグ(JFL)からスタートしJ2切符をつかんだ。若手主体のチームをまとめたのは、ひたむきさを忘れない主将の背中だった。

主将としてチームをけん引し、悲願のJ2昇格を実現させた藤枝MYFCのMF杉田真彦=11月中旬、藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・杉山英一)
主将としてチームをけん引し、悲願のJ2昇格を実現させた藤枝MYFCのMF杉田真彦=11月中旬、藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・杉山英一)

 「わざと厳しい道を選んできたのかな」。小学生の時、プレーしたのは地元少年団。当初在籍した同級生は数人で、友達を増やしてチームに引き入れ、6年生までに11人集めた。近くに強豪チームはあったが、父親に「最後まで責任を持て」と言われとどまった。
 Jリーグユースの加入テストには受からず、サッカー強豪校ではない静岡西高へ。「弱いチームをどこまで強くできるか」と意気込んだが、目立った成績を挙げることはできなかった。
 転機になったのは、一般入試で進んだ順大サッカー部での経験。厳しいハードルを越えて入部を果たすと、2年生の後期からレギュラーに。毎年、具体的な目標を紙に書き、実現のため努力してきた。「今まで多くの目標を達成してきた。意識して取り組むことが大事」。JFLのソニー仙台を経て、2020年から藤枝に加入し、ようやくJリーガーにたどり着いた。
 今季チームの躍進を支えたのは団結力。選手は須藤大輔監督(45)の超攻撃的サッカーに魅力と可能性を感じ、練習から同じ方向を目指してきた。「自分にずばぬけた特長はなく、周りに生かしてもらうタイプ。どれだけチームに気が利くか、ここで大きく成長できた」と振り返る。
 今年の目標「J2昇格」も実現させた。「次はなんて書こうかな。今季つくった土台がJ2で通用するか、自分もチームもさらに成長したい」。視線の先を高く上げ、さらなる挑戦を誓った。

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