記者コラム「清流」 安全保障、考える好機
陸上自衛隊の駐屯地近くにある自衛隊用品専門店は、戦闘で使われる品々も販売する。隊員は原則として官給品を使うが、「創意工夫」の名目で私費を投じて必要な物をそろえるという。例えば保護ゴーグル。戦いにおける目の重要性を考えれば官給品があってしかるべきだと感じる。
防衛力強化を巡り財源確保策の議論が活発だ。周辺国の動向を見れば、安全保障環境が厳しさを増しているのは明白。一方、厳しい財政状況の下、議論の結果次第では国民負担が増えるかもしれない。
政府の有識者会議は財源確保に関し「国民全体の協力が不可欠だと政治が真正面から説く」よう求めている。一時しのぎはせず、痛みも含め丁寧に語ってほしい。国民が安全保障政策を考え、広く議論するきっかけになるだろう。
(御殿場支局・矢嶋宏行)