災害前の備え学ぶ 「事前復興」紹介 静大・岩田教授が講座 浜松

 浜松市中区の市防災学習センターはこのほど、災害前にできる備えを学ぶ講座「被災後の生活復旧につながる準備とは」(静岡新聞社・静岡放送後援)を同センターで開いた。

事前復興について解説する岩田さん=浜松市中区の市防災学習センター
事前復興について解説する岩田さん=浜松市中区の市防災学習センター

 静岡大防災総合センター特任教授の岩田孝仁さんが講師を務めた。岩田さんは、災害が起こる前に被災時の対応を考え、問題点を解決する「事前復興」の考え方を説明。そのモデルとして、和歌山県の串本町では病院や学校、町庁舎などの公共施設を高台に移転することで、住民の住宅移動を誘導した事例を紹介した。
 家庭の備えでは、食料と水は最低1週間分を準備することや、車いすがあると担架代わりに使えることを伝えた。地域では、日ごろから住民がよく集まる場所を避難所に設定することで、日常と非日常のギャップが小さくなり、避難にためらいがなくなると話し、「どうしたら有事の際でも普通に暮らせるかを考え、準備することが大切」と強調した。

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