榮太樓總本鋪の副社長 細田将己さん 静岡県特産使い商品開発【とうきょうウオッチ/インタビュー】

 江戸時代の文政元(1818)年から200年以上続く老舗菓子店。東京・日本橋に本店を置く。県茶業会議所が主催した県産茶の魅力発信イベントに協力し、茶と和菓子の関係などを紹介した。東京都世田谷区出身。49歳。

細田将己さん
細田将己さん

 -ゆかりのある静岡県産の茶とコラボした。茶と菓子の組み合わせをどう捉えるか。
 「母が清水の三保出身という縁があり、個人的にも知っている土地の産物のイベントに参加できたのはうれしかった。茶があってこその菓子だ。洋菓子を含め、今は茶を使った菓子が多いが、茶と一緒に召し上がっていただく上では、菓子には茶を取り込まない方が望ましい。それほど、茶を尊重している」
 -静岡の特産物を使ってどんな菓子を作っているか。
 「すり下ろした天城の5年ものの本ワサビを白あんに混ぜ、求肥(ぎゅうひ)で巻いた筒状の菓子がある。松崎町の桜葉を使った桜餅も。農家が塩漬けした桜葉は風味があり、巻いたまま食べる人もいる。かんきつ類などを使った静岡らしさを表現できる菓子も作りたい」
 -伝統を守り継ぐための心構えは。
 「守るものと変えていくものを見定めている。あんの味や国産の原料など譲れない点を守りながら、流行を取り入れることも柔軟にやっていかなければならない。東京は変化していく街。江戸の菓子屋として、大事にするものは大事にする一方で、お客さまと街と一緒に進化したい」

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