静岡人インタビュー「この人」 民間から協賛募り学校花壇の整備に取り組む 山村克孝さん(浜松市東区)

 企業の協力を得て浜松市立小2校の花壇を整備する事業を始めた。生花販売業グリーンハート・ヤマムラ社長。75歳。

山村克孝さん
山村克孝さん

 ―事業のきっかけは。
 「数年前、学校の花壇を管理するフラワー委員会に入った小学生の孫から、『雨の日にも花への水やりは必要なの?』と衝撃の相談を受けた。雨でも定期的に水やりするルールだった。花壇も手入れが必要な状況で、許可を得て整えていると、通りかかった子どもたちから『きれいだ!』と次々と声を掛けられた。教員は忙しくなかなか花壇に手を掛けられない。誰かがやらなければいけないと感じた」
 ―協賛を募る理由は。
 「地域でチームを組まないと活動は根付かない。事業は協賛金を活動費に充て、当社が学校と連携して子どもたちと花壇を整える仕組みにした。過去に、経営者たちに勧めてそれぞれの妻へ花を贈ってもらうと、みんな『何か悪いことでもしたの?』との反応を返されたという笑い話があった。大切な人に花を贈る文化が根付いてない。大人を巻き込み、子どもの時から花に触れることが必要だ」
 ―今後の活動方針は。
 「協賛企業を増やしたいが、企業名入りの銘板を公立学校の花壇に立てる珍しい活動のため、手続きに時間を要した。行政に積極的に働きかけて磐田市にも活動の場を広げたい。スポーツ振興も行いたい」
 ―活動への熱意の原点は。
 「縁を大事にしてきた。44歳で脱サラして生花店を起業したが、59歳で白血病と診断され、死を覚悟したことがある。病を乗り切れた感謝として、1千万円を白血病研究のために病院に寄付すると宣言し、今年で達成できた。今回は孫を通じた縁。子どもたちを笑顔にしたい」

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