宝蔵院周辺のコケ再生へ 標高550メートル、木漏れ日注ぐ石仏群 清掃し景観保全 松崎の住民有志

 松崎町の住民有志が、同町門野の富貴野山宝蔵院周辺のコケ再生プロジェクトを始めた。標高550メートルに位置し、晴れた日には、立ち並ぶ石仏群に木漏れ日が降り注ぐ神秘的な場所。自生するコケの繁殖を促し、景観の保全や誘客を図る。

落ち葉をかき集める住民ら=松崎町門野の富貴野山宝蔵院
落ち葉をかき集める住民ら=松崎町門野の富貴野山宝蔵院

 町などが進める地域活性化の取り組み「2030松崎プロジェクト」の一環。町などによると、宝蔵院は大同3(808)年に真言宗の開祖・空海(弘法大師)が密教の霊場として開いた古寺。参道を中心に100体以上の石仏が残り、ハイキングコースとしても親しまれている。
 12月中旬、数年前から周辺の整備を続ける土屋武彦さん(65)の呼びかけで集まった12人が、約千平方メートルの森林で清掃活動を行った。現在は落ち葉などに覆われているが、取り除くことでコケが一面に広がるという。
 定期的に活動を実施する予定で、次回は春ごろの見通し。土屋さんは「季節によっては鳥のさえずりも聞こえるとても良い場所。歴史的な価値もあるので、多くの人が立ち寄るようになればうれしい」と話した。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞