LGBTQ 浜松でパレード 性の多様性アピール 静岡県内初、23年6月開催

 国内で開催の輪が広がりを見せる性的少数者らによる街頭パレードについて、浜松市中区で2023年6月11日に計画されていることが28日までに、関係者への取材で分かった。これまでに都内や政令市などで実施されていて、静岡県内では初めて。性の多様性の認識向上をアピールする。

LGBTQパレードについて話し合う実行委員会=28日午後、浜松市中区
LGBTQパレードについて話し合う実行委員会=28日午後、浜松市中区

 パレードでは市中心街の新川モールを発着点とし、LGBTQなど性的少数者の尊厳を象徴する「虹色の旗」を掲げて約1・5キロを1時間かけて練り歩く計画。「はままつレインボープライド」(HRP)と名付け、性的少数者や支援者が実行委員会を組織した。県内外の約150人の参加を想定し、当事者が交流する場も設ける。
 性的少数者らのパレードは米国で1970年代に始まったとされる。日本では90年代から広まり、近年は「レインボープライド」「レインボーマーチ」などの名称で各地で開かれている。
 浜松市での開催は同市が2020年度に県内で初めて、性的少数者などのカップルを公認するパートナーシップ宣誓制度を導入したことなどが契機となった。同様の制度を既に富士、静岡、湖西の3市が導入し、県も23年3月の開始を目指すなど、性の多様性を認める行政の取り組みは県内でも広がり始めた。
 一方、トランスジェンダー当事者で、同実行委の鈴木げん代表(48)によると、自分の性自認や性的指向が周囲に理解されず、一人で悩みを抱える当事者が依然多いという。鈴木代表は「パレードでは特に若い世代の当事者に向け、地元にも同じ仲間や応援してくれる人がいるとの希望のメッセージを発信したい」と意気込む。

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