五輪目指す新たな静岡県勢プロボーダー 繁延亜周と浦野晴 ライバルで“兄弟”、ともに4月参戦

 スケートボードで五輪出場を目指す聖隷クリストファー高2年で17歳の浦野晴[はる]=浜松市西区=と藤枝市広幡中3年で15歳の繁延亜周[あしゅう]が、本年度の全日本アマチュア選手権で入賞を果たしてプロ資格を得た。ライバルで兄弟のように親しい2人は「スケボで頂点に立ちたい」と誓いを固め、技を磨き合う。

繁延亜周
繁延亜周
繁延浦野
繁延浦野
練習中に助言し合う浦野晴(右)と繁延亜周=東静岡アート&スポーツ/ヒロバ
練習中に助言し合う浦野晴(右)と繁延亜周=東静岡アート&スポーツ/ヒロバ
繁延亜周
繁延浦野
練習中に助言し合う浦野晴(右)と繁延亜周=東静岡アート&スポーツ/ヒロバ

 全日本アマの種目はストリートスタイルで毎年決まった数の上位入賞者だけがプロの権利を獲得できる。本年度は10月中旬にコロナ禍を経て3年ぶりに開催され、浦野が9位、繁延が10位で入賞を果たした。「早くプロになりたかった」と浦野。中学1、2年で出場した時は涙をのんだが、待たされた3度目の挑戦で夢をかなえた。
 2人とも就学前に競技を始め、小学生時代からプロを意識してきた。特定の指導者はなく、技は動画を探し、大会で出会った上級者にも教わって習得する。練習に明け暮れる日々を送り、「とにかく地道に繰り返すしかない」と声をそろえる。
 小学生時代に知り合い、今は親同士が連絡を取り合って全国各地の大会に送迎を行うなど、個人競技ながら一つのチームとして活動する。繁延が「あこがれの存在で、スキルは向こうが上」と認めれば、浦野も「追いかけてきて負けられない。でも、大会の本番前、そばにいてくれると元気が出て、リラックスできる」と信頼を寄せる。
 板を縦横両方1回転させる360度フリップが得意な繁延は、制限時間内に数多くの技をこなして点数を稼ぐタイプ。一方、浦野は「他人がやらない技を使いたい」とマイペースで、メインスタンスと逆向きで飛ぶスイッチフリップが武器。
 2021年の東京五輪では10代の若手選手が躍動した。繁延は「みんな格好良かった。どうしたら自分も五輪に出場できるか、何が足りないのか、刺激を受けた」と振り返る。
 2人とも4月からプロ戦に出場する。浦野が「勝ちたい」と意欲を高めれば、繁延も「スケボで有名になり、賞金を稼ぎたい」と決意を示した。

 先輩の背中を追う
 21年の東京五輪スケートボード・男子ストリートには青木勇貴斗(19)=静岡市清水区出身=が出場し、予選で敗退したが、大技を決めて会場を沸かせた。県勢では根付海龍(19)=島田市出身=と沢島裕貴(20)=静岡市駿河区出身=もプロボーダーとして国内外で活躍している。浦野と繁延は3人の先輩の背中を追いかけ、国際舞台への進出を狙う。

 

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