浜松の原田精機 超小型衛星、ISSから2基目放出 単独で設計、製作

 人工衛星部品などを製造する浜松市北区の中小メーカー原田精機は6日、同社2基目となる超小型人工衛星を国際宇宙ステーション(ISS)から地球の周回軌道に放出した。コンパクトな反射望遠鏡を備え、高度約400キロから地上を撮影する実証実験を行う。

中継映像のリプレイでISSから放出される超小型人工衛星を指さす原田浩利社長=6日午後6時35分ごろ、浜松市北区の原田精機
中継映像のリプレイでISSから放出される超小型人工衛星を指さす原田浩利社長=6日午後6時35分ごろ、浜松市北区の原田精機
原田精機が開発した超小型人工衛星「HSKSAT」の実物大模型
原田精機が開発した超小型人工衛星「HSKSAT」の実物大模型
中継映像のリプレイでISSから放出される超小型人工衛星を指さす原田浩利社長=6日午後6時35分ごろ、浜松市北区の原田精機
原田精機が開発した超小型人工衛星「HSKSAT」の実物大模型

 衛星は縦10センチ、横10センチ、奥行き30センチの直方体で1基目の約半分の大きさ。名称は会社名などから「HSKSAT」とした。昨年11月に米スペースX社のロケットで打ち上げ、ISSに輸送した。
 軌道への放出は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と同社との間をオンラインでつなぎ、原田浩利社長と同社関係者が見守った。ISSから放出された人工衛星が中継映像に映ると会場には拍手が沸いた。
 同社は衛星の商業利用を目指している。昨年3月に周回軌道に放出した超小型人工衛星は九州工業大などと開発したが、今回は単独で設計、製作した。HSKSATは地上の大型車が判別できる高画質で撮影でき、製作から周回軌道への放出までを請け負うサービスの想定価格は、1基目の半分の1億円に抑えた。今後、3カ月程度、動作確認を行いながら撮影に挑む。原田社長は「2基の衛星を持つことで運用の幅が広がる。衛星が気軽に活用できることを広めたい」と強調した。
 1基目は地表の撮影に成功し、撮影技術の改善を進めている。同社は24年に3基目の放出も計画している。

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