豊作を祈願 伝統の儀式 掛川で「田の打ち初め」

 掛川市長谷の農業梅田昭好さん(80)の田んぼで11日、伝統の「田の打ち初め」が行われた。地域で消滅しつつある文化を絶やさないよう毎年実施している。

豊作を願い、稲穂に見立てたススキと松竹梅の束を立てる梅田さん(左)=掛川市長谷
豊作を願い、稲穂に見立てたススキと松竹梅の束を立てる梅田さん(左)=掛川市長谷

 「田打ち講」とも呼ばれ、豊作を願って11日の早朝に行う農家の行事。梅田さんのほか、伝統を受け継ごうと地元の60代の農業者も参加し、稲穂に見立てたススキと松竹梅の束を土に立てた。根元には米をまき、恵方の方向に手を合わせて拝んだ。
 米の代わりに餅を供えるなど、地域や家によって儀式の内容に多少の違いがあるという。梅田さんは「50年くらい前はどこの家も行っていたが、今ではほとんど見ない。やらなくなると忘れられてしまう。元気に1年暮らせるよう祈った」と話した。

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