修善寺紙「寒すき」最盛期 伊豆の工房 大寒も作業

 伊豆市修善寺の紙谷和紙工房で、厳寒期に紙をすく「寒すき」作業が最盛期を迎えている。二十四節気の「大寒」にあたる20日も、山の冷たい湧水を使って地元の伝統和紙「修善寺紙」作りが行われた。

冷たい湧水を使って紙をすく舛田さん=伊豆市修善寺の紙谷和紙工房
冷たい湧水を使って紙をすく舛田さん=伊豆市修善寺の紙谷和紙工房

 修善寺紙の継承を目指して活動する地域おこし協力隊の舛田拓人さん(30)が連日作業に励んでいる。コウゾやミツマタなどの繊維を水に溶き、専用の木枠ですくって水平に振るう。冷たい水を使うことで、材料のトロロアオイで作る液体の粘度が高くなり、良質な和紙ができるという。
 舛田さんは「寒い日の方が良い和紙ができる。水の動きを注視して、全体が均一になるように気をつけている」と話した。
 修善寺紙の起源は定かではないが、平家物語に登場し、源頼朝の旗揚げ時に関東八州の武士に送った文書にも使われたとされる。

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