交通安全協会費 回答者の６割強「払っていない」【NEXT特捜隊】
「運転免許証を更新する際、交通安全協会費をお願いされるのが苦痛です」との投稿を受け、免許証窓口で会費を募る理由をはじめ、協会費の用途、会員になるメリット、静岡県外の事例などを調べ、読者の交通安全協会費の支払い状況に関するアンケートを実施した。回答は６３１件寄せられ、意見を整理した。
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払っていない理由はおおむね以下の七つに分けることができた。
投稿者の女性のように、「窓口で断りづらい」との意見は払っていない人からも払っている人からも寄せられた。「窓口で支払わない理由を言う必要はないが、支払わないことに対する圧力を感じてしまう」（磐田市、６０代男性会社員）「更新の行列で加入の有無を聞かれるのはプレッシャー。一気に２千円払うのは大変なのに、状況的には断りづらい」（静岡市駿河区、５０代パート女性）「任意の割に窓口で引き下がらない」（島田市、４０代男性会社員）といった声が上がった。
■払わないと態度変わる？ 金銭的理由も
また、「会費を払わない人への対応が悪い」「払わないと態度が豹変する」などの意見も寄せられた。一方、「窓口の態度は人による」との声もあり、「以前に比べて『会費は強制ではない』とはっきり言うようになり、誠意を感じるようになった」（浜松市中区、６０代無職男性）といったコメントもあった。
金銭的な理由で支払っていない人も多く、「更新手数料を含めると窓口での支払いが思っていたより高額になり躊躇してしまう」（藤枝市、３０代主婦）といった現実的な意見もあった。更新に必要な金額しか持って行かない人もいた。
■払っている人は活動の効果実感
払っている理由はおおむね以下の三つに分類できた。
払っている人は会費の使途や活動の趣旨を理解した上で協力している人が目立った。島田市の３０代主婦は「小学生の子どもがいる親なので、交通安全活動に協力することは子どもたちを守ることにつながる」と趣旨に賛同する。「保育園に何度も交通安全教室で来てもらい、子どもの意識が変わった」（沼津市、４０代女性会社員）といった活動の効果を実感している人も多かった。
■任意と知らない人や粗品の改善求める意見も
支払いが任意であることを知らない人も多少みられた。静岡市駿河区の４０代主婦は「任意だと知らなかった。もっと分かりやすくしてほしい」と指摘する。焼津市の５０代主婦も「任意とはいえ、ほぼ全員払っているものだと思っていた」と回答した。
会員特典の改善を求める声もあった。「免許証ケースは正直いらない」（静岡市葵区、３０代自営業女性）や「払わないと非情に思われるような気がして支払うが、不要な粗品をもらうと無駄遣いをしたようでさらに気分が悪くなる」（６０代男性会社員）との声も。
■なぜ免許証所持者だけ 徴収方法に疑問の声
徴収方法を疑問視する意見も寄せられた。５０代の男性会社員は「更新事務を受託している団体が立場を利用して行う徴収方法が不公正に感じる」と指摘する。また、「『免許更新手数料と併せて○○円になります』はやめてほしい」（富士市、５０代男性会社員）や「徴収のタイミングがせこい」（下田市、４０代男性会社員）といった率直な声も寄せられた。実質的に免許証所持者だけが協力を求められている現状に納得がいかない人もいた。
■静岡県交通安全協会からの返答
静岡県交通安全協会が入る建物＝静岡市葵区
「協会費が人件費に使用されているのでは」や「不適切な使い込みがあった」との指摘もあったが、静岡県交通安全協会の担当者は「協会費はあくまで交通安全活動にのみ使用していて、人件費には一切充てていません。静岡県内では協会費の不適切な利用もありません」と答えた。その上で、「交通安全協会費が更新手数料とは別で、任意であることを丁寧に説明し、誤解の生じないように心掛けていきます。職員の接遇改善にも努め、支払い方法の多様化も検討します」と述べた。
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