パートナー制度周知へ「多様な政策と連動を」 静岡でシンポジウム

 静岡県は27日、性的少数者や事実婚のカップルを公認するため3月1日に導入する「パートナーシップ宣誓制度」の周知を図るシンポジウムを静岡市駿河区の県男女共同参画センターあざれあで開いた。

性の多様性やジェンダー平等をテーマに基調講演する三成教授=静岡市駿河区
性の多様性やジェンダー平等をテーマに基調講演する三成教授=静岡市駿河区

 県男女共同参画課の山口精子課長が制度の概要を説明。カップルとして宣誓し公認されれば「大切なパートナー、家族であることを周囲に説明しやすくなる」と利点を語った。
 基調講演を行った追手門大の三成美保教授は静岡県の制度について「カップルの子どもも含めて家族関係を認めるファミリーシップ制度で、先進型だ」と評価。一方、法律ではないため子どもへの親権はないと説明した。性的少数者に対する包括的な法律がまだ日本にない中で、県の制度は「現在困っている性的少数者に寄り添える点で有意義だが、これだけでは不十分。多様な政策と連動して取り組んで」と要望した。
 パネル討論では、性同一性障害(GID)の当事者として講演活動を行う安池中也さんが「これで完成ではなく、みんなで作り上げていく制度」と期待。ゲイであると公表し、執筆活動を続ける文化人類学者砂川秀樹さんは「当事者だけでは限界があり、支援者と一緒に取り組むことで力が発揮される」と訴え、協力を呼びかけた。

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