西伊豆町 こども園と小中一貫校建設 8年議論の計画白紙に

 西伊豆町は27日、2027年度以降の早期開校を目指してきた認定こども園と小中一貫校の建設計画を中止すると明らかにした。同町では再編案や建設地について約8年にわたって議論されてきたが、最終案が白紙になり、計画の大幅な見直しを迫られる。

西伊豆町の教育施設統合を巡る経過
西伊豆町の教育施設統合を巡る経過
認定こども園と小中一貫校の建設候補地だった先川地区=27日午後、西伊豆町中
認定こども園と小中一貫校の建設候補地だった先川地区=27日午後、西伊豆町中
西伊豆町の教育施設統合を巡る経過
認定こども園と小中一貫校の建設候補地だった先川地区=27日午後、西伊豆町中

 星野浄晋町長は町役場で会見し、「子どもの安全確保を第一に考えてきたが、保護者以外の地元住民の同意が得られなかった」と述べ、「一区切りして違うアプローチをした方が良いと判断した」と吐露した。今後は現行の校舎や園舎の防災対策を進める方針。再編統合については、近隣町に連携を呼びかける考えを示唆した。
 今回の計画白紙化については、町が1月中旬に5地区で開催した住民懇談会が転機になった。「津波からの安全性が心配」「建設費が高額」などの指摘のほか、建設予定地周辺の地権者の反対もあった。
 町は2月に説明会を開く予定で、今後も住民から再度意見を募る。複式学級解消のため、小学校2校は当初の予定通り24年に統合するとした。
 同町の学校再編の議論は14年から本格化したが、建設地や工費を巡り住民の反対や議会との対立で長期化。町は21年にこども園と小中一貫校を先川地区の農地約2万平方メートルに集約する考えを示した。22年秋に地元住民らでつくる第三者委員会が、町に同地区が建設地として妥当と答申していた。

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