記者コラム「清流」 氷の芸術

 天城山中の自然林の中に、氷の芸術が姿を現した。10年に1度の寒波といわれた1月下旬の冷え込み。伊豆市の八丁池が全面凍結し、空や雲を反射する美しい光景に目を奪われた。
 池を囲むブナなどの木々が霧氷で白く染まっていた。当日は一日中氷点下になりそうな寒さで、午前9時ごろの気温が氷点下7度ほど。池の氷は透明度が高く、水中に沈む木や石が目視できた。同行した環境省自然公園指導員の土屋光示さんは「3日前には全面凍結していなかった。これだけ一気に凍るとは」と自然の力に驚きを隠さなかった。
 積雪がめったに見られない静岡の冬は岐阜出身の記者には少しだけさみしかったが、結氷や霧氷が織り成す光景はこれまで見てきたどの冬景色よりも素晴らしかった。

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