「大河」起爆剤 観光回復狙う 家康ゆかりの地と連携(浜松市観光・シティプロモーション課長/北嶋秀明氏)【本音インタビュー】

 徳川家康が主人公の大河ドラマ「どうする家康」の放送が始まった。家康ゆかりの地の浜松市は好機と捉え、コロナ禍で落ち込んだ観光需要の回復に力を注ぐ。行動力とアイデアで観光振興とプロモーションを先導する。

北嶋秀明氏
北嶋秀明氏

 ―ドラマへの期待は?
 「約3年前の就任以降、新型コロナ感染防止対策の飲食店認証制度やスマートフォンを使った大型ポイント還元キャンペーン、飲食代1億円キャッシュバックなどに取り組み、飲食店やホテルなど観光関連産業の厳しい状況を肌で感じた。これからが観光をV字回復させるタイミングだ。幅広い年代のファンを持つ松本潤さん主演の大河ドラマの舞台地になったことはありがたく、浜松があらためて全国から注目されるチャンス。起爆剤と期待している」
 ―ドラマ館の反響をどうみているか。
 「1月22日のオープンから9日間で来館者が1万人を突破し、手応えを感じている。2月28日までのプレオープン期間は、家康を描いた大河ドラマ25作に焦点を当てた限定展示で、このような企画展は全国のドラマ館で初めての試み。過去のドラマ全61作とともに、当時の出来事を紹介する年表も添えた。3月18日のグランドオープンからは『どうする家康』一色の展示に変わる。『おんな城主 直虎』の78万人を上回る来館者を目指す」
 ―観光振興に向けて重視していることは。
 「今回は地域連携が重要。県内外の家康ゆかりの地と連携し、相互誘客の取り組みを進める。現在の連携都市は県西部をはじめ、三重県桑名市や甲府市など20自治体以上。浜松が中心となり、各都市が盛り上がる仕掛けを打つ。徳川四天王の本多忠勝ゆかりの地との合同イベントも計画している。関係性を継続し、ドラマ終了後の24年に開かれる浜名湖花博20周年記念事業の誘客にも結びつけたい」
 ―リピーターの獲得にどうつなげるのか。
 「ドラマの事前イベントに全国から多くの人が集まった。これまで浜松に関心がなかった人がドラマをきっかけに訪れてくれた。ゆかりの地はもちろん歴史、観光地、食、花、音楽など多種多様な魅力を楽しんでもらえるように情報発信していく。民間ではドラマに合わせた新商品の開発など新たな動きもある。官民連携で観光客をもてなしたい」

 きたじま・ひであき 1994年、浜松市職員に。人事課で16年勤務した後、市民協働・地域政策課時代に北遠でのアワビの養殖を発案し、事業を進めた。農業水産課長を2年務め、2020年4月から現職。同市東区出身。52歳。

家康がよく分かる 正室・側室/人柄/戦い
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