記者コラム「清流」 振り飛車復権、心待ちに

 掛川市での第1局を皮切りに始まった将棋の王将戦。藤井聡太五冠に羽生善治九段が挑むシリーズで、序盤に羽生九段が振り飛車の可能性がある駒組みを選択し、期待が膨らむ場面があったが相居飛車の戦いになった。
 今、トップ棋士の対局の多くが相居飛車だ。人工知能(AI)の影響とされ、タイトル戦で飛車を序盤に振る戦法はほとんど見られなくなった。だが、アマチュアでは人気の戦法で、私も振り飛車を指す。将棋AIは飛車を振ると確かに悪い評価を示すが、相手の攻撃に乗じてカウンターが決まった時の爽快感はたまらない。
 しばらくトップの戦いは相居飛車が続きそうだが、振り飛車党の棋士も多い。再びタイトル戦で振り飛車が見られる日を心待ちにしている。

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