91歳警備員、交通誘導2級最高齢合格 浜松の永田さん、日々鍛錬

 浜松市南区の警備会社ドリームに勤務する永田逓児[ていじ]さん(91)=同市中区=が国家資格の交通誘導警備2級に合格した。講習機関のNPO法人警備人材育成センター(さいたま市)によると、最高齢での合格。日々の訓練や学習を欠かさず、今も自転車で通いながら週に5日、工事現場や駐車場で交通整理を続けている。

国家資格合格後も堀内善弘顧問(右)から指導を受ける永田逓児さん=浜松市南区の警備会社ドリーム
国家資格合格後も堀内善弘顧問(右)から指導を受ける永田逓児さん=浜松市南区の警備会社ドリーム

 長崎県佐世保市出身の永田さんは航空自衛隊浜松基地勤務などを経て、1998年に同社に入社した。温厚な人柄で同僚の人望は厚く、「皆から父のように慕われてきた」(同社堀内善弘顧問)。
 受検は昨年5月、研修で資格の紹介を受けたことがきっかけ。「基本を学び、どの現場でも通用する仕事をしたいと希望した」と永田さん。交通量の多い国道などで業務に当たる際には資格保有者を配置する義務があり同社は社員の資格取得を後押ししていた。
 試験勉強は毎日のように早朝に1時間、勤務を終えてから2時間ほど教本を読み、練習問題を解いた。黄色い大旗を用いた誘導や護身術などの実技は堀内顧問から学んだ。
 12月に神奈川県でともに臨んだ受検者の多くは40~50代だった。合格率は全国平均で60%台。自信はなかっただけに、合格の知らせが届くと、「大変うれしくて、長崎県の妹にも連絡してしまった」とはにかむ。
 人とコミュニケーションを取ることが好きで「思ったことは相手に通じてしまう。誘導を行う時は『今日も一日、安全にお過ごしを』と願いながら取り組んでいる」。
 冬は上着を着込んで耐えるが、夏の暑さにはつらいと感じることもあるという。それでも「仕事は生きがい」と言い、永田さんは合格後も体力づくりや試験の復習を欠かさない。「資格を持ったからこそ、勉強を続けなければいけない」と意欲を見せる。

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