「首相はキーウ訪問を」 21世紀倶楽部、浜松でセミナー 太田編集委員(共同通信)講演

 静岡新聞社・静岡放送21世紀倶楽部の2月例会セミナーが22日、浜松市中区のプレスタワーで開かれ、共同通信社の太田昌克編集委員(54)が「ロシアによるウクライナ侵攻開始から1年」をテーマに講演した。

講演する共同通信社の太田編集委員=浜松市中区のプレスタワー
講演する共同通信社の太田編集委員=浜松市中区のプレスタワー

 太田氏は、ドイツ・ミュンヘンで19日まで開かれた安全保障会議の取材を踏まえて「戦争長期化は必至」との認識を示した上で、ロシアの核使用を阻止するために「岸田文雄首相に(ウクライナの首都)キーウを訪問してほしい」と強調した。
 これまでの各国の閣僚や専門家への取材で印象に残った言葉として、米研究者の「プーチン(ロシア大統領)に戦争をやめる動機はない」、元英国閣僚の「ロシアの通常戦力の97%が投入されたが、ロシアには核戦力が残っている」などの発言を紹介。プーチン大統領の独自の論理や心理について解説した。
 今後の展望を「ミュンヘンで取材している限り、出口はないと思った」と語り、侵攻継続による物価高騰が定常化するリスクや、世界金融が不安定になる可能性を指摘した。日本が支援できることとして岸田首相のウクライナ訪問を挙げ、「唯一の核の被爆国として勇気を持ってキーウに乗り込み、核兵器使用は許さないとのメッセージを発してほしい」との持論を述べた。

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