特捜隊ノート「故人の思い 次世代にバトン」

 血液のがんで闘病していた社会福祉士の原田久美子さん(56)=浜松市西区=が亡くなり、お別れ会が今月開かれました。
 おととし5月の紙面で、病などで髪を失った人のかつら用に髪を寄付する「ヘアドネーション」に取り組む姿を掲載。昨年2月の紙面で「緩和ケアは『終末期』宣告ではないと知って」と、心身のつらさを和らげる緩和ケアの意義を語ってくれました。故人の遺志で、医学の教育研究に役立てるために「献体」したそうです。
 原田さんの記事を読んだ静岡市の児童が一度断念したヘアドネーションに再挑戦し、30センチ以上伸ばした髪を来月切ることになったと、保護者を通じて連絡がありました。
 「闘病中の私にも社会貢献ができる」と繰り返していた原田さん。思いが一つ実を結びそうです。ご冥福をお祈りします。
 

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