書かない窓口運用開始 証明書手続き迅速化 浜松市内58カ所

 浜松市は24日、市内の各区役所や協働センター、市民サービスセンターなど58カ所で、窓口での証明書発行手続きを簡素化する「書かない窓口」の運用を開始した。各種証明書の手続きの際、職員が必要事項を聞き取りながら申請書を作成するため、待ち時間の短縮や複数証明書の取得時に住所などを何度も記載する手間の軽減につながる。

浜松市が運用を開始した「書かない窓口」。市職員(左)が証明書業務の手続きを聞き取りながら申請書を作成する=同市役所
浜松市が運用を開始した「書かない窓口」。市職員(左)が証明書業務の手続きを聞き取りながら申請書を作成する=同市役所

 来庁者が窓口で身分証明書を提示すると、市職員が住民基本台帳のシステムデータを参照し、必要事項を聞き取りながら申請書を作成する仕組み。来庁者は印刷された申請書の内容を確認し、署名するだけで手続きが完了する。従来は来庁者が記載台で申請書を記入し、窓口に提出していた。10分ほど掛かっていた手続きが4分ほど短縮される見込み。
 対象は、住民票や印鑑登録証明書、所得証明書など証明書関連29種。6月からは転居などの住民異動、それに伴う保険などの届け出にも拡大する予定。
 長男の進学手続きのために住民票を取りに来た中区の50代女性は「窓口が混む時期なので1時間は覚悟していたが、5分ほどで申請できた。本当に簡単で早かった」と話した。
 「書かない窓口」は市民サービスの向上と煩雑化する窓口業務の効率化を図る窓口DX(デジタル・トランスフォーメーション)の一環。市はほかにも証明書のコンビニ交付や行政手続きのオンライン化も推進している。
 市デジタル・スマートシティ推進課の担当者は「さまざまな取り組みを進め、手続きにおける市民それぞれの最適化を図りたい。市民と職員の負担軽減を進める」と話した。

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