新野地区工業団地事業再考を 御前崎市議会予算審査委 「内容が不透明」

 御前崎市議会2月定例会は9日、予算決算審査特別委員会を開き、新野地区で進めている工業団地の建設事業費5千万円を計上した特別会計予算案を賛成少数(定数15)で否決すべきとした。市は企業誘致の迅速な推進を訴えたが、市議会は「事業内容が不透明」として再考を求めた。24日の最終本会議で同予算が否決される公算が大きい。
 採決で委員14人の意見が賛成、反対それぞれ7人ずつに割れ、阿南澄男委員長が反対に回った。
 市は地域産業経済の活性化を図るため先行投資的に工業用地を確保し、取得した土地は企業誘致などを仲介する不動産開発業者に売却すると説明。柳沢重夫市長は既に複数の企業が進出の意向を示していることを明かし、「スピード感を持って対応したい。雇用創出も見込める」と必要性を強調した。これに対し、市議からは進出企業を選定するプロセスや周辺道路整備など曖昧な部分が多いと異論が噴出。「将来、無駄な予算支出になるリスクがある」との指摘が上がった。
 委員会終了後、柳沢市長は「企業誘致は市民側からの強い要請でもある。引き続き進めていく」と述べた。

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