不適切盛り土の安定性 川勝静岡県知事、調査公表の方針

 川勝平太知事は14日の定例記者会見で、静岡県内で確認された不適切盛り土の安定性を調べるためのボーリング(地質試料の掘削)調査結果を今後公表する方針を明らかにした。県は静岡市葵区杉尾、日向地区の無許可盛り土の対応を議論した8日の庁内対策会議の際には調査結果を公表していなかった。
 川勝知事は「ボーリングして分かったことをなるべく早く公表するべきだ」と述べ、危険性のある盛り土に関しては情報の透明性を確保する考えを示した。会見に同席した杉本敏彦砂防課長は「公表用の資料は整っている。公表に向けて対応したい」と説明し、県が所管する砂防法関係の不適切盛り土は安定性の情報を明らかにするとした。
 県は非公開で開いた対策会議後、杉尾や日向の盛り土に関し「安定性が確保されていない」と説明する一方、根拠となる資料は報道機関に提供せず、盛り土は部分撤去にとどめるとする防災対策の選択肢も示した。一昨年の熱海土石流で崩落した盛り土は、防災対策が不十分なまま土石流危険渓流に放置されていた。

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