⚽J2開幕戦 ジュビロ磐田FW後藤啓介 17歳、衝撃2ゴールデビュー 高原超えクラブ最年少弾、昇格へ「手応え」【しずスポ】

 今季J2で再出発した磐田に待望のストライカーが現れた。磐田ユースから飛び級で昇格したFW後藤啓介(17)=浜松市出身=だ。岡山との開幕戦で途中出場すると、試合終了間際の3分間で2得点した。高原直泰(JFL沖縄SV)が持つリーグ戦クラブ最年少得点記録を更新する衝撃のデビュー。清水との静岡ダービーでもゴールを決め「想像以上にやれている。手応えは十分」。チームを1年でJ1に復帰させる覚悟だ。

 持ち味が凝縮された開幕戦の2得点だった。後半からピッチに立つと、44分にDF松原后(浜松開誠館高出)からのクロスを右足で合わせた。追加時間にはMF遠藤保仁からの浮き球を、191センチの長身を生かして頭でねじ込んだ。DF鈴木雄斗は大物ぶりに舌を巻く。「キャンプから『こういう動きをするので見ていてください』と言う。さすがだ」
 サッカーを始めたのは4歳の時。3学年上の兄佑介(順大GK、清水ユース出)の影響で、地元のカワイ体育教室サッカースクールに通い始め、めきめきと頭角を現した。身長は幼少期から群を抜き、小学6年時には大人と肩を並べる173センチに達していた。
 海外志向が強く、物心が付いた時から自宅のテレビで欧州サッカーにかじりついた。日の丸を背負った日本人選手の動向にも敏感だった。小学校時代、中耳炎が悪化して入院した時には、遠藤や中村俊輔氏らのプレーを集めたDVDを何度も何度も見た。憧れだった遠藤からのパスを受けたプロ2点目に「まさかその人とプレーできるなんて」と無邪気な面も見せる。
 中学3年時、トップチームの練習試合に参加し、当時J1だった清水から得点を決めて周囲の度肝を抜いた。験を担いでプロでもその時に付けた背番号42を選んだ。大きな番号だが、語呂合わせで「世に出る」という野心を込めた。
 待望の初ゴールは、高校生らしくお年玉をつぎ込んで買ったスパイクで決めた。リーグ戦は慣れない途中出場もある。プロでは攻撃だけでなく守備での献身性も求められる。「今度はお金を稼ぐ側になった。しっかりやらなきゃいけない」。あどけない17歳の表情に、プロとしての自覚が備わってきた。

 ごとう・けいすけ 2005年6月3日、浜松市中区生まれ。4歳からカワイ体育教室サッカースクールに通い、小学校から同サッカークラブへ。磐田ジュニアユース、磐田ユースを経て昨年、高校2年ながら飛び級でトップチーム昇格を果たした。世代別日本代表を経験し、目標はポーランド代表の万能型FWレバンドフスキ(バルセロナ)。試合前に駄菓子を食べるのがルーティン。 

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