昭和初期の島田、動画に 文化人による撮影映像を公開

 島田市は名誉市民で文化人として活動した故清水真一氏(1889~1986年)が撮影した昭和初期のフィルム映像を市文化振興課ユーチューブチャンネル「島田市文化芸術公式チャンネル」に公開した。これまでは映像を収録したDVDを島田図書館で貸し出していたが、多くの人に気軽に見てもらおうと企画した。

ユーチューブに公開した昭和初期の島田の風景などの映像=島田市役所
ユーチューブに公開した昭和初期の島田の風景などの映像=島田市役所


 清水氏は旧島田町7丁目に生まれ、薬局業を営む傍ら篆書(てんしょ)や詩作、写真など他分野で功績を残した。当時珍しい天体望遠鏡を入手し、天体観測を開始。「ダニエル彗星(すいせい)」を再発見し、アマチュア天文家の草分け的存在となった。
 公開したのは、清水氏が中心となって大正期に結成した団体「蘭契会」による文化活動を収めた9・5ミリフィルムの無声映像。数分~10分程度の動画計23本をアップした。汽車が走る当時の島田駅や新金谷駅、大井川の川下りを楽しんだり、芸者が大井神社を参拝したりする様子も見ることができる。東京・銀座や久能山、三保松原などを映した記録もある。
 同課の担当者は「清水氏は島田の文化の礎を築いた人物。昭和初期の地元の貴重な映像を楽しんでほしい」と話した。
 (島田支局・寺田将人)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞