温泉×スポーツ合宿が有力 伊豆「ICOIプロジェクト」 静岡県、事業化に着手

 静岡県は4月から、全国有数の温泉地、伊豆地域の温泉を活用して産業創出や住民の健康増進を図る「ICOI(いこい)プロジェクト」の事業化に着手する。2022年度に温泉の健康増進効果を測定し、一定のエビデンス(根拠)が得られたという。地域資源と組み合わせた滞在プランの商品化など事業者の取り組みを支援する。

スポーツ合宿を想定したモニターツアーで、温泉の健康増進効果を測定する参加者=2022年10月、伊豆市(県提供)
スポーツ合宿を想定したモニターツアーで、温泉の健康増進効果を測定する参加者=2022年10月、伊豆市(県提供)

 独自性を示すのが難しい温泉に食や自然、歴史文化などを掛け合わせ、新産業づくりを目指すプロジェクト。効果測定は湯治(ヘルスツーリズム)とスポーツ合宿、ワーケーションの3分野で実施。大自然でのトレーニングや地元食材の健康食と温泉入浴をセットにしたモニターツアーを行い、疲労回復などの効果が確認できたという。
 県によると、伊豆地域は山と海の両方があり、自然を感じながらトレーニングができるとして、スポーツ分野で最も可能性を感じているという。伊豆市には東京五輪会場になった日本サイクルスポーツセンターが立地する。スポーツと温泉を合わせてPRする先進例は少なく、特色を出しやすいとみる。
 地元施設や自然豊かな環境でのトレーニングと温泉入浴を合わせたアスリート向けの滞在プランの商品化を想定する。住民向けプランも期待できる。23年度は事業化支援のコーディネーターを配置し、エビデンスの活用や事業者同士の連携を後押しする。
 健康増進効果の測定は継続し、その結果や温泉に関する研究を事業者が生かせるような仕組みや拠点づくりの検討を始める。県新産業集積課の担当者は「温泉は世界から人を呼び込めるコンテンツ。地域資源と合わせ価値を高めて提供し『世界的リゾート伊豆』を目指したい」と話す。

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