記者コラム「清流」 社会の側に問題がある 

 「あまり期待してなかった。社会に認められていないことを再認識した」。性的少数者などのカップルを公認する「パートナーシップ宣誓制度」の認定者を取材した。同性パートナーとともに宣誓した彼女は、職場で結婚休暇の取得を断られた時を振り返った。
 県内では3年前に浜松市が制度を導入して以降、多様なカップルを認める流れが広がり、3月からは県も運用を始めた。関係者は導入を喜ぶ一方、運用面が理念に追いついていないために複雑な感情を抱く。
 「ありのままの自分を認めて」との感情は人間本来の欲求だろう。性自認や性的指向などで冷笑され続けた人にとって、隠して生きるのが当然だったと聞く。だが、自分を否定しないでほしい。少数者を受け入れられない「社会の側に問題がある」と強調したい。
(浜松総局・金沢元気)

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