記者コラム「清流」 見たかった空港の景色

 飛行機に乗る前の高揚感が好きだ。この後、携帯電話もオフにできる。旅行で最も楽しみなひとときと言っても過言ではない。
 静岡空港に約3年ぶりに訪れた。前回は新型コロナウイルス流行直前の2020年1月。仕事で乗った台湾往復の国際線だった。近くて便利だと改めて感心していたが、帰国後まもなく欠航した。現地でもマスク姿の不安げな人をちらほら見かけ始めたのをよく覚えている。
 この3年間、静まりかえった空港ほど寂しいものはないと思っていたが、3月にソウル線の定期便が復活した。再開初日からにぎわう国際線チェックインカウンター。これから旅立つ搭乗客の晴れやかな笑顔。そして、搭乗便を見送る空港職員の安堵(あんど)の表情。見たかった景色が戻ってきた。
(島田支局・寺田将人)

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