“王国復権”指導者から 古賀氏(清水東高出)育成に奔走 静岡県サッカー協FAコーチ

 静岡県サッカー協会の技術担当責任者(FAコーチ)に本年度から就任した古賀琢磨氏(53)=清水東高出=が精力的に活動を始めた。「サッカーが好きになるよう長所見つけ伸ばして」。県内各地を回って現状把握に努めながら各年代男女の指導者育成に尽力し、王国復権を目指す。

「観察と声掛けが重要」。B級コーチ養成講座で精力的に指導する古賀琢磨県サッカー協会FAコーチ=エコパ補助競技場
「観察と声掛けが重要」。B級コーチ養成講座で精力的に指導する古賀琢磨県サッカー協会FAコーチ=エコパ補助競技場

 「ボールを持ってる時、ない時、奪った時、失った時。四つの局面で何をすべきか意識して」。4月下旬に袋井市のエコパ補助競技場などで行ったB級コーチ養成講習会の初日。古賀氏はゲーム形式の実技を行う受講生に呼びかけた。
 県内全域から集まったのは20~40代のC級ライセンスを持つ指導者24人。年内に11日間の予定で座学と実技講習を行い、「質高く、個人だけじゃなくグループを指導する力」を養う。
 古賀氏は現役時代、DFとしてヤマハ発動機からジュビロ磐田の創生期を支え、清水エスパルスでもプレーした。講習を受けた焼津市で小学生を教える山梨文隆さん(45)は「言葉に重みがあり、柔らかい物腰で伝え方を考えてくれる。分かりやすい」と評価した。
 FAコーチとして特に力を入れるのは小中学生年代の強化。3月までJFAアカデミー福島WESTでチーフコーチを務めた経験から、「日本協会の指導法が浸透し、全国のレベルは上がったが、金太郎あめのようで自己主張する選手が少なく物足りない」と課題を指摘し、「ドリブル、パス、クロスなど一つ武器を持ってほしい」と期待する。
 女子も含め、国体で成績を残すことも命題。「静岡なら個の力を高めるのはもちろん、守備的じゃなくボールを保持するチーム戦術で内容も追求したい」と意欲を燃やす。

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