小豆餅、銭取…「三方ケ原の戦い」伝承の和スイーツ快進撃 大河ドラマ機に売り上げ増

 元亀3(1572)年に徳川家康が武田信玄に大敗した「三方ケ原の戦い」が、大河ドラマ「どうする家康」をきっかけに再注目され、戦の舞台となった浜松市では伝承にちなんだ和スイーツが快進撃を見せている。販売が好調で、売り上げが例年の倍以上に伸びている商品が目立つ。

人気商品の「小豆餅」(左手前)「銭取」(奥)「三方原」(右)=浜松市東区の「御菓子司あおい」本店
人気商品の「小豆餅」(左手前)「銭取」(奥)「三方原」(右)=浜松市東区の「御菓子司あおい」本店
売れ行きが好調な「布橋の雪」=浜松市西区の「御用菓子処 田町梅月」本店
売れ行きが好調な「布橋の雪」=浜松市西区の「御用菓子処 田町梅月」本店
人気商品の「小豆餅」(左手前)「銭取」(奥)「三方原」(右)=浜松市東区の「御菓子司あおい」本店
売れ行きが好調な「布橋の雪」=浜松市西区の「御用菓子処 田町梅月」本店

 「御菓子司あおい」(本店・東区有玉北町)は、遠州名物のモロコシ入り大福にきなこをまぶした「小豆餅」(3個入り540円)、黄身あん入りの小判型マドレーヌ「銭取」(1個230円)、栗入り焼きまんじゅう「三方原」(同250円)などを店舗で販売している。
 三方ケ原の戦いで浜松城へ逃げ帰る途中に茶店で小豆餅を食べた家康が、敵の気配を感じて代金を払わず店を飛び出し、店の老婆が追いかけて銭を受け取った―という伝承にちなんだ商品だ。
 同店によると「小豆餅」「銭取」は例年の倍以上の売り上げ。「小豆餅」は大河ドラマ館で土日曜のみ販売しているが、すぐに売り切れてしまうという。豊田光彦社長は「お菓子と一緒に地元の伝承を発信したい」と言葉に力を込める。
 「御用菓子処 田町梅月」(本店・西区坪井町)で好調なのは、水分の多いようかんの錦玉羹(きんぎょくかん)と蒸しカステラの浮島で、卵白や砂糖で作った白い泡雪を挟んだ「布橋の雪」(1本788円)。
 徳川軍が浜松城へ退却した夜、城の北西の断崖「犀ケ崖(さいががけ)」に布を渡して橋が架かっているように見せ掛け、渡ろうとした武田軍の多くを崖下に落下させて一矢報いた―という伝承に基づく和菓子。同店の富田直満社長によると、ことしは例年の倍ほどの販売数で、大河ドラマ館やJR浜松駅の観光客に加えて地元住民の購入も増えている。

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