⚽円熟のプレー 磐田引っ張るMF山田大記 海外経験を還元 背番号10の思い【しずスポ】

 J2磐田のMF山田大記(34)=藤枝東高出=が若手へのメッセージを込め、円熟のプレーでチームをけん引している。「語学の勉強をしとけよ」。20代半ばでドイツに渡った経験をベテランとなったいま、チームに還元しようとする背番号10の思いは-。

徳島戦でボールを前方に送る磐田・山田=4月29日、ヤマハスタジアム(写真部・宮崎隆男)
徳島戦でボールを前方に送る磐田・山田=4月29日、ヤマハスタジアム(写真部・宮崎隆男)
熊本戦でチームメートに指示を出す磐田・山田=4月16日、ヤマハスタジアム(浜松総局・山川侑哉)
熊本戦でチームメートに指示を出す磐田・山田=4月16日、ヤマハスタジアム(浜松総局・山川侑哉)
徳島戦でボールを前方に送る磐田・山田=4月29日、ヤマハスタジアム(写真部・宮崎隆男)
熊本戦でチームメートに指示を出す磐田・山田=4月16日、ヤマハスタジアム(浜松総局・山川侑哉)

 2011年のプロ入り当時から海外志向が強かった。ドイツ2部カールスルーエから獲得オファーがあったのは14年。磐田はJ2に降格して半年と苦しい時期だった。「チームから残ってほしいと言ってもらえた。だが、海外に行くには(年齢的に)ラストチャンスだった」。思い切ってサッカーの本場に渡る決断をした。
 3季在籍したドイツでは5~6人のドイツ人監督から指導を受けた。さまざまなタイプの指揮官がいたが、ドイツ語を話せないと、露骨に嫌がる指導者もいた。「言葉が通じないし通訳を介すると意図が変わってしまう」。日常会話ができる英語に加えて、現地で家庭教師を付けて懸命にドイツ語を勉強した。
 磐田の若手にも将来、海外でプレーしたいという選手は多い。そんな後輩には「すごいシンプルだが、語学の勉強をしとけよと言う」。自分自身は2年目ぐらいからドイツ語でチームメートと会話できるようになりチームにとけ込んだ。欧州には世界中から腕利きの選手が集まってくる。「サッカーで圧倒的な実力を見せられればいい。実力差は紙一重。言語が話せないのは不利」。ピッチに立とうと、もがいた20代の記憶がよみがえる。
 昨季は序盤戦で足のけがで戦線離脱し、リーグ戦出場は7試合にとどまり、チームも3度目の降格。以前から埋め込まれていたボルトごと折れた右足の中足骨は回復したものの、今季も序盤から状態不良でチームを離れた時期もあった。それでも4月に先発復帰すると、金沢戦で2季ぶりのゴールを決めた。
 クラブの将来をしっかりと見据える姿勢はぶれない。「積み上げは実感できる。ただ勝ちながらじゃないと若手の自信は芽生えない」。J1復帰とともにチームの基盤づくりに欠かせない存在だ。

 やまだ・ひろき 1988年12月27日生まれ、浜松市出身。ジュビロ浜松SS、ジュビロ浜北ジュニアユース、藤枝東高、明治大を経て2011年に当時J1磐田へ入団。14年シーズン途中でドイツ2部カールスルーエに移籍し3季在籍。17年に再び磐田に復帰。今季は主将を務める。日本代表として2試合に出場した。

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