藤枝サッカー100周年へ 産学官民 連携強化が鍵【記者コラム 黒潮】

 藤枝市は2024年、サッカー発祥100周年を迎える。藤枝MYFCのJ2での奮闘や、元日本代表の長谷部誠選手(39)=藤枝東高出=が所属するドイツ1部リーグ、アイントラハト・フランクフルトがジュニアユース(中学生世代)チームを藤枝で発足するなど、機運を醸成する話題は数多くある。市全体で記念すべき年を盛り上げるには、産学官民のさらなる連携強化が重要になる。
 藤枝は「サッカーのまち」として全国に知られる。J3アスルクラロ沼津の中山雅史監督(55)や現日本代表コーチの名波浩さん(50)、元日本代表の山田暢久さん(47)、長谷部選手ら日本サッカー界に歴史を刻んだ名高い人物はいずれも藤枝市出身。藤枝東高や藤枝明誠高、藤枝順心高なども伝統校、強豪校として全国に名が通っている。
 藤枝東高は24年で創立100周年を迎える。行政と教育機関との交流を深める一環としても、市と協力して企画を立案、実行してほしい。同校に限らず、一つでも多くの学校から共感を得ることができれば、サッカーのまちを掲げる市のブランド力は一層向上するはずだ。
 市独自のサッカーミュージアムの新設も実現が待ち遠しい。現在は建設候補地などについて、関係機関と本格的に交渉を進めている。市外から人を呼び込みやすい場所を選びつつ、地域活性化につながる施策を盛り込むのを忘れてはならない。100周年に合わせた24年の開館を目標に、蹴球都市にふさわしいサッカーミュージアムの構想を考えてもらいたい。
 市は3月、100周年記念事業の実施に向けた実行委員会を立ち上げた。サッカーのまちの歴史と伝統を振り返り、市民に藤枝に対する誇りを感じてもらう。行政や自治会連合会、経済界などの代表者らで構成するが、サッカーに夢を抱く子どもたちの声も取り入れてみてはどうか。
 24年は市制施行70周年でもある。北村正平市長は実行委員会の初会合で「新たな時代へビジョンを示し、市と藤枝サッカーの未来への一歩となるものにしたい」と述べた。市の発展には、100周年事業の成功に向けた市民の意識醸成が欠かせない。
 (藤枝支局・青木功太)

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