今川家の320年 略年表に 初代範国~戦国大名10代氏真 藤枝の関口さん50年間研究

 藤枝市文化財保護審議会委員の関口宏行さん(79)=同市旭が丘=がこのほど、静岡県ゆかりの武将今川家10代の約320年間を時系列で表した手書きの略年表を作成した。初代範国から戦国大名の10代氏真まで、約50年かけて研究してきた成果をまとめた。「今川家は県民にとってなじみ深い存在。卓抜した力量と政治力を持ち、動乱期を生き抜いた武将として、それぞれの生き方に魅力がある」と語る。

本県ゆかりの武将今川家10代の略年表を作成した関口さん=藤枝市内
本県ゆかりの武将今川家10代の略年表を作成した関口さん=藤枝市内

 関口さんは小中学校の教員として働きながら、趣味の一環で藤枝市の清水寺や長慶寺、鬼岩寺といった県内外の今川家に関連する寺や神社、資料が残る図書館などを訪れ、足跡をたどってきた。「義元が桶狭間の戦いで油断して討ち死にしたことで、現代では今川家は軟弱な戦国武将のイメージが強く持たれている。負の印象を払拭(ふっしょく)して、一流の戦国武将だと再評価してほしい」と研究理由を明かす。
 略年表は武田信玄など今川家と関連する戦国大名や家臣、家族などの動向、最新の系譜も盛り込んだ。私家版で非売品。関口さんは藤枝市立岡出山図書館に寄贈したという。「今川家に関する資料はまだたくさんあるはず。動乱の時代をどのように生き抜いてきたのか。今川家の足跡を発掘して世に広めたい」とさらなる意欲を示した。

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