島田工高生 全国発明展で奨励賞 デジタル聴診器を開発 医療のDX化へ3年かけ

 島田工業高情報電子科放送技術班の生徒が開発したデジタル聴診器がこのほど、第81回全日本学生児童発明くふう展(発明協会主催)で奨励賞を受賞した。持続可能な開発目標(SDGs)の「すべての人に健康と福祉を」をテーマに、医師の負担軽減や医療のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を目指し約3年がかりで完成させた。

デジタル聴診器を開発した生徒ら=島田市の島田工業高
デジタル聴診器を開発した生徒ら=島田市の島田工業高


 デジタル聴診器は心音などをデジタル信号に変換し、データ化して視覚的に診療できる仕組み。高感度センサーも開発し、従来の聴診器では聞き取りにくい音もヘッドホンを用いて確認できる。医師の耳への負担を軽減し、インターネット接続により中山間地域の医療拡大にもつなげる考え。センサーの取り換えで機械の不良診断にも応用できるという。
 心音をピックアップするセンサーの開発を担った2年三輪勇太さん(17)は「耳への圧迫など聴診器の課題も医師に聞き取り調査した。医療の発展につながればうれしい」と話した。指導した沼田章教諭は「着眼点が素晴らしく、実用化できれば私たちの生活を豊かにしてくれるはず」と目を細めた。
 (島田支局・寺田将人)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞