藤枝市 建設業者へ災害情報迅速に 新システム導入
藤枝市は、甚大な被害をもたらした昨年9月の台風15号を教訓に、災害時の建設業との情報連携を強化する。従来の電話や紙による情報連絡体制を見直し、情報の伝達と可視化のためのシステムを導入した。豪雨災害の発災から復旧完了まで迅速かつ的確に対応する。
市河川課によると、これまでは災害の発生場所と内容を主に電話で建設業者に連絡していた。台風15号は土砂崩れや倒木、落石などの災害現場や被害に関する市民からの通報が計約880件に上り、実際の発生場所を取り違えたり、業者との情報共有に時間を要したりと混乱が生じたという。
浮き彫りになった課題の解決に向け、市はビジネスチャットアプリ「ラインワークス」とグーグルマップを活用したシステムを導入した。位置情報を使った連絡が可能となり、業者に災害現場を正確に伝達できる。カレンダーと掲示板機能が付いたスケジュールも可視化し、効率的な指示と手配につなげる。
市は21日に実施する出水期に向けた水防訓練で初めて運用する。一つの地図上で複数の現場を表示したり、作業が対応済みかどうかを色分けしたりする機能の導入も検討している。市河川課の井原豊課長は「今まで以上にいち早く現場の処理と把握が可能になる」と話した。
(藤枝支局・青木功太)