静岡人インタビュー「この人」 加工商品開発に力を入れるオリーブ生産者 金成健二さん(沼津市)

 大手電機メーカー退社後にオリーブの生産を始め、現在は沼津市などの3カ所の農園で計150本以上を育てる。地元の事業者と協業して加工食品を開発し、販売している。56歳。

金成健二さん
金成健二さん

 -生産を始めた理由は。
 「何もないところから自分だけの力で物を生み出す農業に関心を持った。幼稚園児のころから愛鷹地区で育ち農家を身近に感じてきたが、現在は耕作放棄地が増えている。電機メーカーで研究開発に従事した経験を生かし、放棄地再生のモデルをつくれればと考えた」
 -なぜオリーブなのか。
 「知人に誘われて県中西部の生産者を訪ねたのがきっかけ。東部で育てている人は少なく、自分の力を試すには最適だった。作り始めてから、いいことばかりだと知った。欧州ではサプリメントに使われるほど体に良いとされる。勝利、知恵、平和の象徴とされ、国際連合の旗にも使われている。管理すれば何百年も育ち、未来へのプレゼントになる。寒暖差が大きい沼津は栽培に適している」
 -加工商品開発の目的は。
 「いろいろな商品にすれば手に取ってもらう機会が増え、オリーブ好きの人を増やすことができる。葉や搾りかすを入れた塩、葉を使ったお茶を開発した。葉を原料にしたガトーショコラもできた。オリーブ栽培が事業として成り立つものだと示し継承されるようにしたい」
 -今後の展望は。
 「モノ消費だけだったオリーブから、楽しいコト消費の機会をつくりたい。剪定(せんてい)した枝からのバターナイフ作り、オリーブ用の鉢作り、オリーブ塩をかけるバーベキューなどアイデアはたくさんある。オリーブをきっかけに、笑顔になる人が増えれば幸せ」

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞