⚽藤枝MYFC 故障禍に平尾、横山ら機能 窮地で輝く新ボランチ

 窮地を進化への好機に変えようと、J2藤枝の中盤が新たな形を模索している。リーグ戦前半のヤマ場だった清水、磐田との三国決戦を前にチームの柱でボランチの杉田主将がけがで長期離脱したが、大卒新人の平尾が台頭し、徳島に3-0で完勝。前節群馬戦はスコアレスドローだったが、須藤監督は「流動的にポジションを入れ替え、エレガント」と新布陣に手応えを示す。

群馬戦で攻撃を組み立てるJ2藤枝の横山(右)と平尾=正田スタ
群馬戦で攻撃を組み立てるJ2藤枝の横山(右)と平尾=正田スタ

 開幕戦のボランチは杉田と新井で、2人とも運動量豊富で激しくプレーするタイプ。その後、けがで出遅れていた視野の広い水野が復帰し、第8節からは3勝2分けと勝ち点を伸ばした。
 しかし、第14節のアウェー山形戦、雨中の激闘で杉田と水野が負傷。チームは満身創痍(そうい)で清水戦を迎え0-5。ただ、後半はシャドーストライカーの横山をボランチに下げてリズムをつかみ、大敗したがボール支配率は試合を通じて60%以上だった。
 第16節磐田戦まで4連敗しても指揮官は「内容は悪くない」と超攻撃的スタイルを崩さず、ボランチに技術の高い横山と平尾を起用。ベテランFW岩渕が「ここは若手の国。自分も刺激をもらい、チームは常に成長している」と評するように底上げに成功した。
 移籍1年目の徳永も第17、18節にシャドーで先発するとパスセンスを発揮。さらにチーム内の競争は高まっている。リーグ戦は折り返しまであと3節。「選手を育てながら勝つ」。昇格1年目の藤枝の挑戦から目が離せない。
 (寺田拓馬)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞