インフル流行長期化 静岡県内 学級閉鎖相次ぐ

 季節性インフルエンザの流行が長期化している。通常なら終息している5月以降も、静岡県内の学校は学級閉鎖や学年閉鎖が相次ぐ。新型コロナウイルスの「5類」移行による感染対策の緩和やインフルエンザワクチン接種からの時間経過などが要因に挙がるほか、運動会で感染が広がったとする指摘もある。5月中旬にいったん流行値を下回ったものの再び上昇する、異例の状態が続く。

インフルエンザの定点医療機関あたりの患者数
インフルエンザの定点医療機関あたりの患者数

 昨年9月が起点となる今季の学校関連の閉鎖施設は178カ所。5月以降の30カ所はほとんどが小中学校で、高校や未就学児施設は少ない。
 31日は浜松市北区の小学校で二つの学年の7学級209人のうち80人が感染し、学年閉鎖になった。市教委によると、この学校では数日前に運動会が開かれたという。担当者は「感染が広がった理由は分からない」としつつ、運動会での接触や免疫の低下が影響した可能性があるとの見方を示した。患者が出ている学校は一部に限られ、市教委は特別な対応を講じる予定はないという。
 運動会後に拡大した事例はほかにもあり、県東部の市教委担当者は「最初に数人感染し、運動会を挟んで拡大した」と話す。
 藤枝市立総合病院感染対策室長の小清水直樹副院長は、新型コロナの感染対策の徹底による免疫低下に加え、「昨年の10、11月にワクチンを打っていた場合、効果が薄れてきた可能性がある」と指摘。運動会などの屋外活動については「近距離で大きな声援を送るなどした場合は飛沫(ひまつ)感染はあり得る。無症状の感染者がいたことも想定される」とみる。
 県が2日に発表した週報(第21週、5月22~28日)によると、定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は251人。1施設あたりの人数は流行の目安「1人」を上回る1・81人で、前週の1・74人から増加した。地区別だと東部1・30人、中部0・86人、西部3・19人と西部が高い。今季最高は3月6~12日の5・96人。

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