LGBTの苦悩映画に投影 浜松で上映会 浅沼監督、思い語る

 LGBTなどの性的少数者らが差別や偏見のない社会の実現を訴えながら浜松市中心街を練り歩く「はままつレインボープライド」の実行委員会などはこのほど、11日の開催を前に性の多様性への関心を高めようと、ドキュメンタリー映画「I Am Here(アイアムヒア)」の上映会を中区のあいホールで開いた。出生時に割り当てられた性と自認する性が異なる「トランスジェンダー」当事者の浅沼智也監督も登壇し、撮影の思いを語った。

映画制作への思いを語る浅沼監督(右)=浜松市中区
映画制作への思いを語る浅沼監督(右)=浜松市中区

 映画はトランスジェンダー当事者やその家族ら十数人が登場し、カミングアウトする時の苦悩や、戸籍の性別変更に必要な「性別適合手術」への是非、自ら望む性別で生きることの思いなどを語る。これまでにない切り口などが評価され、ドキュメンタリー映像の新たな登竜門とされる「東京ドキュメンタリー映画祭」の2020短編部門でグランプリを受賞した。
 上映会に合わせてトークショーも開かれた。来場者の「なぜ映画を作ろうとしたか」の問いに、浅沼監督は「当事者には自殺や未遂率が高い現実がある。あなたは一人でないというメッセージを伝えたかった」と答えた。「カミングアウトされたらどう受け止めたら良いか」との質問には、「まず(カミングアウトへの)感謝を本人に伝えてほしい。そして本人が望むなら相談にも乗ってあげて」と呼びかけた。
 あいホール主催事業「シネマのつどい」の一環。

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