静岡人インタビュー「この人」 掛川市で猫の保護に取り組む団体を立ち上げた 森沢優さん(掛川市)

 掛川市を拠点に猫の保護活動をするため藤枝市から移住した。2022年4月に立ち上げた団体「マイフレンドキャット掛川」の代表。野良猫を不妊去勢手術して地域に返す「TNR活動」や譲渡支援に取り組む。23年2月には猫を保護するシェルターを開設し、ボランティアと世話をしている。38歳。

森沢優さん
森沢優さん

 -猫との出合いは。
 「幼い頃から動物好き。20代で動物病院の動物看護師になったが一年半で辞め、その後は約15年間配置薬などの営業をしていた。8年前、外回り中に黒猫を拾ったことがきっかけで一気に猫中心の生活に。保護活動する人とも知り合い、飼い主探しを手伝うようになった」
 -印象に残っている猫は。
 「ペットショップで乳がんを患う猫を見つけた。人気のある品種で、繁殖用の猫としてかなり利益を出したはずなのに治療もされていなかった。ペットとして迎える猫が狭いケージで死ぬのはつらく、最期だけでも家猫として過ごしてもらおうと飼い主になった。ペットになる猫とならない猫の生きる環境の差が激しく、自分にできることはないか考える機会になった」
 -掛川市で活動する理由は。
 「御前崎市の知人が掛川の猫を保護していた。掛川は猫が餌をもらう場所が多く、野良猫が多いと知った。転職も考えていたので、自分を支えてくれた猫のために、もう一度動物の世界に携わろうと移住を決意した」
 -目標は。
 「猫は野生動物ではなく、愛玩動物であると啓発したい。命を落とす野良猫が減り、幸せな家猫が増えてほしい。地域の中では猫を巡るトラブルもあるが、根本的には人の問題。人も動物も幸せな地域になるよう多くの人と考えていきたい」
 (掛川支局・伊藤さくら)

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