市有施設で方針策定 浜松市、7月末までに カーボンニュートラル達成けん引

 浜松市は20日、本年度庁内に立ち上げた「市カーボンニュートラル(CN)推進本部」の初会議を市役所で開いた。2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにするCNの達成に向けて市が先頭に立って取り組むため、7月末までに市有施設の脱炭素化方針、年度末までに同方針に基づく24~30年度の全体計画を策定することを決めた。

 CNの前段として国は30年度の温室効果ガス排出量を13年度比で51%削減するよう目標を定めている。21年度の市有施設における二酸化炭素(CO2)排出量の削減率は5・9%にとどまり、市の年度目標(13・8%削減)を達成できていない。さらに、24年度には天竜清掃工場(天竜区)が稼働し、CO2排出量の大幅な増加が見込まれるため、全庁を挙げたさらなる取り組みが求められている。
 市は脱炭素化方針に、エネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指す市有施設の「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」化▽30年度までに全照明LED化▽屋上などへの太陽光設置▽全公用車の電気自動車(EV)化・電動化▽電気やガスなどを非化石燃料由来エネルギーに転換―を盛り込む。
 市が進めているCN推進計画は、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの導入、脱炭素都市の促進、CO2吸収源の確保を4本柱に掲げる。本年度は25施設のLED化、6施設への太陽光パネル・蓄電池の導入設計、20施設への導入調査を行う。産業や運輸などでの水素利活用の可能性調査、再生可能エネルギーの地産地消に向けた浜松新電力への増資、森林資源を生かしたカーボンクレジットのビジネス創出に向けた調査などにも取り組む。
 会議には各部長など市幹部約40人が会場とオンラインで出席。中野祐介市長は「浜松は脱炭素化技術、再生可能エネルギー生産、CO2吸収源と全国のどこにもひけをとらないポテンシャルがある。CNを浜松がけん引するという思いで頑張ってほしい」と訓示した。

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