⚽左サイドバックに龍昇現る DF森下龍矢 森保JAPAN初選出フル出場 ポスト長友、26歳静岡県勢名乗り【しずスポ】

 サッカー日本代表に初招集されたJ1名古屋の森下龍矢(26)=磐田ユース出、掛川市出身=が15日の国際親善試合エルサルバドル戦に左サイドバック(SB)で先発フル出場し、確かな存在感を示した。屈強な海外選手との対峙(たいじ)を経験し「強かった。これが基準なんだ。成長の糧にしたい」。4大会連続でワールドカップ(W杯)を戦った長友(FC東京)の後継者候補は、世界に挑む覚悟をにじませる。

エルサルバドル戦でサイドからクロスを入れる森下=豊田スタジアム(写真部・小糸恵介)
エルサルバドル戦でサイドからクロスを入れる森下=豊田スタジアム(写真部・小糸恵介)
エルサルバドル戦に臨む日本イレブン=豊田スタジアム
エルサルバドル戦に臨む日本イレブン=豊田スタジアム
エルサルバドル戦でサイドからクロスを入れる森下=豊田スタジアム(写真部・小糸恵介)
エルサルバドル戦に臨む日本イレブン=豊田スタジアム


 代表デビュー戦の前半12分。相手の背番号9番にタックルにいこうとしたが、吹っ飛ばされた。「体感しないと分からない。これが世界なんだって。(試合序盤に)確かめられて良かった」。前向きに捉えた結果、豊富な運動量で上下動を繰り返し、攻守で存在感を示すことができた。
 代表活動では相手だけではなく同僚からも衝撃を受けた。合流間もない練習で伊東(スタッド・ランス)と対峙(たいじ)し「異次元の速さを感じた」と抜き去られた。「何がだめか反省しプレーに落とし込めた」と冷静な分析につなげた。
 明大時代の2019年ユニバーシアードで旗手(セルティック、静岡学園高出)や三笘(ブライトン)とともに優勝を経験した。「僕が一番後だが、彼らのことをずっと見ている。お互いの良さを出せたらいい」。東京五輪メンバーには入れなかったが、当時の仲間と4年ぶりに同じピッチに立った。
 俊敏性と体幹の強さは幼少期にルーツがある。小学生時代に所属した掛川JFCではクラブの伝統的な練習としてボールなしで「鬼ごっこ」に取り組む。伊藤薫代表は「捕まったのを見たことがない」と回想。相手の重心の逆を取る能力はずばぬけていた。
 大学4年時、プロ入りか就職かで悩み、競技をやめようと思った時期があったと明かす。持ち前のアピール力を発揮し大手保険会社から内定を得たが、サッカーへの熱量は消えなかった。「鳥栖に拾ってもらった。全てのサポーターへの感謝を表現しよう」。日の丸の付いたユニホームには、そんな思いも込められていた。

 もりした・りょうや 1997年4月11日、掛川市出身。掛川桜木小1年から掛川JFCに所属し、本格的にサッカーを始めた。磐田ユースを経て明大に進学。4年時の2019年に大学3冠に貢献。同年ユニバーシアード日本代表に選出され金メダル獲得。20年にJ1鳥栖に加入し開幕戦でスタメンデビュー。21年にはJ1名古屋に完全移籍した。

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