⚽J2藤枝「登山する装備整った」J1ライセンス申請、例外規定を適用 ホームタウンの協力不可欠

 Jリーグ2部(J2)藤枝MYFCが30日までに、来季のJ1ライセンス取得に向けた申請手続きを行ったことが関係者への取材で分かった。チームは昇格1年目で現在10位につけ、J1ライセンスがない状態で昇格プレーオフ出場圏の6位以内を目標に掲げてきた。現在のJ2クラブでJ1ライセンスを持ってないのは藤枝といわきだけ。悲願達成に向け、クラブ幹部は「登山する装備は整った。藤枝市をはじめ関係者と協力して頂上を目指したい」と今後の審査への対応に決意を示す。

J2基準でバックスタンドの改修が進む藤枝MYFCの本拠地。J1基準には再整備か新設か選択が求められる=30日午後、藤枝市の藤枝総合運動公園サッカー場
J2基準でバックスタンドの改修が進む藤枝MYFCの本拠地。J1基準には再整備か新設か選択が求められる=30日午後、藤枝市の藤枝総合運動公園サッカー場

 本拠地藤枝市の藤枝総合運動公園サッカー場の改修や天然芝の専用練習場確保など、現状で基準を満たしていない条件はあるが、今後の整備計画を示して例外規定の適用でライセンス交付を受けようとする内容。申請書は同サッカー場を所有する藤枝市やJリーグ担当者らと事前に協議してまとめた。
 同サッカー場は芝生席だったバックスタンドを屋根付きの構造で改修中だが、12月に完工して約4千席を設けても収容観客数は約1万人。J1ライセンスには1万5千人が必要で、同サッカー場をさらに改修するか、新たにスタジアムを建設するか選択しなくてはいけない。
 練習環境については現在、焼津市田尻北にクラブハウスと人工芝の専用練習場を持ち、藤枝総合運動公園内にある天然芝の陸上競技場などを借りている。J1ライセンスには藤枝市の天然芝施設を恒常的に借用するか、新たに土地を取得して天然芝グラウンドを造成してクラブハウスも建設する必要がある。
 いずれの項目もクラブ単体ではなく、藤枝市をはじめとするホームタウンの志太榛原4市2町や経済界などの協力が欠かせない。来季のJ1ライセンス交付可否は9月末までにJリーグから発表される見通し。徳田航介社長は「現段階でまだ課題がある」と認めた上で、「申請を通すつもりで準備した。J1ライセンスを取得し、超攻撃的スタイルを貫くチームのモチベーションを上げたい」と誓いを新たにした。

 <メモ>2023年度J1ライセンスを持つのはJ1の18クラブと清水、磐田など計46クラブで、昨季申請して不交付だった事例はゼロ。J2ライセンスを含め基準を満たさない項目について、将来的な整備計画の提出などで例外規定の適用を受けているクラブは少なくない。藤枝も本拠地の収容人数などがJ2基準未満だったが、改修工事を進めることで例外規定が適用された。
 また、基準は無条件に必須のA等級、達成しなかった場合に処分があるB等級、必須でなく推奨されるC等級があり、清水のIAIスタジアム日本平と磐田のヤマハスタジアムは観客席屋根のカバー率不足でB等級の指摘を受けている。

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