記者コラム「清流」 それ、男女関係ある?

 「被写体は女性の方が良いですよね?」。取材先の作品展示場で鑑賞する男性にカメラを向けると、時々言われる何げない一言。記者を気遣っての発言と思うが、いつもモヤモヤする。
 ベテラン男性記者に伝えると、「それは男性が撮られたくない気持ちの表れでは」との言葉が返ってきた。それも一理ある。だが、女性にカメラを向けて「被写体は男性の方が―」と言われた記憶はない。
 「マイクロアグレッション」という言葉が注目されている。日常の何げない言動に表れる、自覚のない偏見や差別を指す。今回の場合、「女性という性別は花のように男性から見られる対象だ」といった無意識の偏見があるかのようだ。
 ジェンダー平等が当たり前となる社会の実現のためにも、性別による無意識の偏見には気をつけたい。
 (浜松総局・金沢元気)

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