養殖チョウザメを函南特産に 企業組合、干物試作 キャビア初採取

 函南町の函南ちょうざめ企業組合が、町内で養殖するチョウザメを特産品にしようと挑んでいる。新たな調理方法を検討し、干物を試作した。時を同じく町内で育てた個体から魚卵のキャビアが初めて取れた。岩野三郎代表理事は「(目標に)一歩近づいた。まずは町民が気軽に食べるようになれば」と話す。

チョウザメの干物とキャビアを前に今後の展望を語り合う岩野代表理事(中央)ら=函南町上沢の千差万別
チョウザメの干物とキャビアを前に今後の展望を語り合う岩野代表理事(中央)ら=函南町上沢の千差万別

 切り身にする際に余った身の活用方法を、同町のチョウザメ料理店「千差万別」オーナーシェフの舘野毅さん(42)と探り、干物にたどりついた。日持ちしない難点を解消し「脂がのっていて親しみやすい味」と関係者の評判も上々。改良を重ねて同店で提供する予定だという。
 キャビアは2019年に地元有志が稚魚を仕入れ、成長した個体から取れた。わずか150グラムだが、想定よりも早かったという。生産量を増やして流通させたい考えだ。
 町外の事業者が養殖していたチョウザメを引き取ったのが始まり。「見たことない魚。名物にして活性化できれば」(岩野代表理事)と21年4月に組合を設立し、スモークやマリネの販売を始めた。現在は食材の供給先を開拓する。
 学校で出前講座を開くなど認知度向上にも努める。活用の幅や流通量を広げ、マグロやサーモンのようにチョウザメがスーパーに並ぶ光景を目指す。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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