静岡人インタビュー「この人」 NPO法人結び家の理事長 戸塚結花さん(焼津市)

 5月、藤枝市高洲地区にこども食堂「お結び」をオープンした。おむすびを中心とした食事を提供し、貧困や孤食の問題を抱える家庭の子どもをはじめ、障害者や高齢者らの居場所づくりを目指す。磐田市出身。47歳。

戸塚結花さん
戸塚結花さん

 -こども食堂の事業を始めた理由は。
 「社会課題として日本は先進国なのに年々、貧困率が上がっている。藤枝市は貧困世帯が多いと同時に、障害者や高齢者の居場所も足りていないと聞いた。そういう人々を助けられる場所を提供したかった。子どもの学習支援も考えている」
 -5月に初開催したこども食堂を振り返って感じたことは。
 「こども食堂に興味を持つ方が多いと感じた。SNSでボランティアを募ったら大勢の方が賛同してくれてありがたかった。一方で、実際に来てくれた方が貧困なのか分からないのが課題。実際に困っている人々に支援が届くよう毎回課題を洗い出し、次につなげたい」
 -現在の貧困世帯の状況をどう捉えているか。
 「子どもの7人に1人が貧困といわれている中で、貧困世帯の半数がシングルマザーなどの単身。裕福な世帯との格差が激しいと指摘されている。私の経験も踏まえ、シングルマザーは全て一人で家計を担わなくてはならない。子育てや仕事、家事などに苦労する人への支援をもっと手厚くし、地域社会で助けていく必要がある」
 -今後の事業展開は。
 「実際に困っている方を助けられるように内容を磨き上げていく。自ら笑顔を与えられる存在になり、笑顔の輪を広げたい。継続していくために一人でも多くの人に現状を理解してもらい、協力者を増やしていく」

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