飲料自販機 浜岡中に導入 熱中症対策と災害用備蓄 生徒会主導でルール運用

 御前崎市の浜岡中が、校内に飲料水の自動販売機を導入した。夏の熱中症対策で生徒がスポーツ飲料を購入できるほか、商品を災害時の備蓄飲料水として活用する。市教委によると、県内の公立中学校では非常に珍しい取り組み。金銭利用に対する課題もあるが、生徒会が中心となって独自の運用ルールを定めて使用している。

校内に設置された飲料水用の自動販売機で、商品の取り出しを試す生徒=御前崎市の浜岡中
校内に設置された飲料水用の自動販売機で、商品の取り出しを試す生徒=御前崎市の浜岡中

 自販機は同市と包括連携協定を結ぶ大塚製薬グループの会社「大塚ウエルネスベンディング」が計4台設置した。1台あたり最大約500本のペットボトル商品を収容し、嗜好(しこう)品を除くスポーツ飲料やお茶をそろえた。災害時には鍵で表の扉を開け、内部の棚のワイヤーを引くと商品を取り出せる仕組みになっている。
 学校現場への自販機設置を巡っては「金銭問題が絡むため慎重な学校が多い」(同社)という。ただ、鈴木秀和校長は生徒に自主性を育んでほしいと事前に課題を説明した上で、全校生徒に自販機の設置を提案。保護者の理解を得て、生徒会が金銭の貸し借りはしない▽家から持参した水筒の緊急補充用とする▽持参するお金は2本分まで-などの11項目のルールを決めて導入した。
 このほど同校で行われた利用開始式では、生徒が実際に商品の取り出しを試した。生徒会長で3年生の石渡凛さんは「自分たちで決めたことをしっかり守る学校づくりの一環」と語った。鈴木校長は「災害用自販機があることで日常生活から子どもたちの防災意識も高まるのではないか」と期待した。
 (御前崎支局・市川幹人)

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