⚾浜松工 逆転突破、打者一巡6得点 全国高校野球静岡大会3回戦
▽3回戦(浜松第2試合)
浜松工 000106010―8
磐田南 402000000―6
▽三塁打 小粥2(浜)、竹山(磐)▽二塁打 宇佐美、森下、金原(浜)大庭、竹山(磐)
▽試合時間 2時間43分
【評】浜松工が6点差を逆転し、磐田南を下した。
6点を追う浜松工は四回に宇佐美の二塁打で1点を返し、六回は小粥の同点三塁打など打者一巡の猛攻で6得点。八回は小粥の三塁打でダメを押した。
磐田南は初回、古橋の右前適時打など3連打で4点を奪って主導権を握ったが、リードを守れなかった。
0―6から「神がかり」 小粥 2死満塁で三塁打
浜松工が6点差をひっくり返した。四回に1点を返し、迎えた六回。4連打などで2点を加え、なおも2死満塁でフィギュア元五輪王者羽生結弦さんの十字を切るポーズを再現し、バッターボックスに立ったのは、2年生の左打者小粥。球場に漂う緊張感をものともせず、直球を振り抜き同点三塁打を放った。
軸をぶらさず深呼吸して打てるようにと、増井監督から1週間前に提案されたルーティン。「3年生がつくってくれたチャンスで何としても点をとりたかった」と熱く語った。続く2番戸塚の右前適時打で勝ち越しに成功。増井監督は「神がかっていた」と興奮した様子で六回の攻撃を振り返った。
三回までに6点を奪われる苦しい展開も、「フルマラソンだ。1点ずつ返そう」と指揮官の言葉の期待通りに粘り強いつなぐ野球で相手を追い詰めた。
試合の主導権を手放さなかった。六回無死満塁のピンチに登板したのは1、2回戦で連続完封の内田。「気合で抑えた」と無失点でしのぎ、七回の2死満塁も抑え、無失点記録を18イニングに伸ばした。かつて呼ばれたこともある「逆転の浜工」の勢いは止まりそうにない。(浜松総局・小林千菜美)